今月のMovie

(2004年 10月号)


「ビィレッジ」
 
 脚本・監督: M・ナイト・シャマラン
 2004年 アメリカ


この映画のラスト10分の内容は、決して口外してはならぬそうで・・・いやはや何とも。(^^;)
シャマラン監督は、これまでにも「シックス・センス」とか「サイン」でも大どんでんがえしをやってきたわけで、
勘のいい観客なら、最初でピンときちゃうかもしれない。
(私は勘の鈍い客だったので、最後までわからなかったという大変な優等生でした。)

いろんなサイトでいろんな人が「いいよ!」って絶賛するので
「ホンじゃ、オイラも」って、観にいったわけですが、
私って、もしかしたら現代人の感覚からはずれてるのかもしれない。

「セカチュー」の時もわからなかったけど
本当なの?

監督いわく
この映画にとっての超常現象は「愛」なんだ

そう?「愛の力」?
ルシアスを思うアイビィーの愛の力が「禁断の森」を抜けさせたって・・・。
でも、ルシアスを「色」だけで認知できるほど愛してる盲目のアイビィーなら
彼が刺された時、「虫の知らせ」というか、なんか体に異変を感じてたはずだよ。
それが、その瞬間は何も感じず、彼の家で、倒れている体につまづくまで気がつかないっていうのは、どうなんだろう。

恐怖と戦いながら、たった一人で自力で森を抜け切った彼女の姿は
「愛」につきうごかされてっていうより
「生」への執着のすごさを見せつけられたっていうほうが当たっているかも。
それは、まるで
映画「タイタニック」で
氷の海に投げ出され、救助を待つヒロインが
生き延びるために愛する人の手を放し、必死で笛を吹き鳴らすシーンにも似て(ああ・・レオ様があ〜)
女っていうのは、いざとなればやっぱり強いんだべと思った次第で・・・。(寿命が男より長いのも頷ける)

それよりも、もっと違う意味で興味深い映画だったな。
全くの純粋培養されて育ったような無垢でイノセンスな心に
果たして「嫉妬」とか「憎しみ」みたいな感情が生まれるんだろうか?とか

ユートピア、永遠の楽園で人は本当に心から信頼しあい愛しみあって生きていけるんだろうか?とか。

自給自足って、あんなに少人数で可能なの?(あの設定でいけば、鍛冶屋、機織、土器職人いろいろ必要)とか。

まあ、そういう矛盾を深く追求せず、
そういうもんだって、楽しく観る事だべ。

シャマラン監督は、自分の映画に出演するのが好きだそうで、
この映画にも登場してました。ネッ。
よくわからんけど、結構ナルちゃんだったりして・・・。
でも、最後はああいう終わり方はないべや。
ヘリコプター〈パタパタ〉、パトカー〈ウィーン〉、担架が運び出されてみたいな
そういう感じのほうがよかったな。

「エイリアン」のシガニー・ウィーパーよ、なぜに「大草原の小さな家」のお母さんみたいな恰好なのだ。
アイビィー役のブライス・ダラス・ハワードと
ノア役のエイドリアン・ブロディのすんばらしい演技力で
なんとかかんとかこの映画完食させて頂きました。
ごちそうさまでした。